若干霞んでますけど雲の妨害は無く、ウチから見える全体が眺められました。
<今朝のアメダス最低気温>
八王子:14.9℃ 富士山:-3.8℃
富士山アメダスの1時間ごとの気温をチェックしたら、昨日の17時から今朝8時までずーっと氷点下でした。麓の河口湖・山中・御殿場の各アメダスの記録を見ると昨日の日中に降水がありましたので、富士山頂付近で降雪があってもおかしくない状況でしたが、初冠雪には至らなかったようです。
昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの第35弾です。
初の西伊豆方面遠征の最終記事になります。
日付が変わって未明の2時台に春の星座が昇ってきたところで、サンヨン望遠レンズでいくつかの銀河も撮ってました。手始めに狙ったのはこの銀河群。
【M65,66,NGC3628】
キヤノンEF+NewFD300mmF4,フジカラーHR1600(ASA/ISO1600),
絞り開放,露出10分,タカハシ90S赤道儀にて電動追尾,
静岡県西伊豆町某所にて
しし座西部にある〝三つ子銀河〟です。3つの銀河のうち2つはメシエ天体なので割と明るい天体なんですけど、視直径は10'以下と小さく、300mmの焦点距離では存在が分かる程度の写りで全く見映えがしませんでした。
次はこの有名な相互作用銀河を撮影。
【M51】
※撮影条件は最初の写真と同じ
りょうけん座北西部にある〝子持ち銀河〟です。大小2つの銀河が並んでいる様子は分かりますが、残念ながら親銀河の渦巻構造は確認し難い上に両者が繋がっているのがハッキリ分かるイメージにはなりませんでした。
最後に撮ったのはこの渦巻銀河。
【M101】
※撮影条件は最初の写真と同じ<
おおぐま座西部にある〝回転花火銀河〟です。視直径は20'以上あって、春の星座に潜む銀河としては結構大型なんですけど、特徴的な渦巻構造は微かに分かる程度で、これもちょっと残念なイメージとなりました。
ということで、先に撮った散開星団たちと比べると銀河はどれも拡大率が全然足りず、ダメだこりゃって感じに終わったのでした。
昨晩、山梨県北西部に出掛け、スワン彗星(C/2025 R2)を撮影してきました。得られた画像がこちら。
【スワン彗星(C/2025 R2)2025/09/29 18時台後半】
キヤノンEOS Ra+タカハシFSQ-85EDP+レデューサーCR0.73×,
StarScapeフィルター使用,F3.8,ISO1600,1.6倍クロップ,
露出時間10秒,タカハシEM-200Temma2M赤道儀にて恒星時追尾,
ステライメージ10,Photoshop2025にて処理,
山梨県北杜市にて
11日前に撮影した時と同様、赤道儀にカメラを搭載したので写野フレームが地平に対して水平になってません。斜めに写っている樹木に隠れそうでハラハラしましたけど、何とか撮影に成功。前回の撮影時よりは太陽離角が大きくなり、少し遅い時間帯に撮影できるようになったため、バックが暗く落ちて彗星頭部はコントラスト良く捉えられるようになりました。それでも撮影時の地平高度は約5度しかなく、薄明終了時には木々の中に紛れてしまう状況で、観測条件は依然として厳しい感じでした。尾が伸びているかどうか分からないので、12ショットの連写画像を中央集光部基準でコンポジットし、適当な画像処理を施してトリミングした画像がコレです。
左下(南東)方向に薄らと尾が伸びているのが辛うじて確認できます。なお、信頼スジによると同日は光度6.3~6.7等の光度観測データが上がっていました。先週の金曜日に撮ったレモン彗星(C/2025 A6)よりも明るいことになりますが、薄明中の低空にしか見えないので小型双眼鏡を使っても観望困難な状況です。やっぱりこの彗星の観測好期はもうしばらく先ってことになりそうです。
【Sh2-72】
赤経:19h03m50s 赤緯:+02゚18' 50"
星座:わし座
視直径:25'
他カタログNo.:RCW 179
ニックネーム:-
南中日時(@東京):6月3日03時,7月19日00時,9月1日21時 ※目安です。
[撮影日時/撮影地]
2025/07/05 01:13 / 静岡県東伊豆町
[撮影機材]
キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC+エクステンダー,
アイダスNBZフィルター使用,タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
ペンシルボーグ+QHY5LⅡM+StellaShot2により恒星ガイド
[撮影条件]
ISO12800,露出8分×12コマ
[画像処理]
Digital Photo Professionalにて現像,
ステライメージ10,Photoshop2025にて処理,
トリミングあり
[メモ]
わし座の西部にあるHⅡ領域です。視直径は満月より一回り小さい25'ほどで、わし座にある散光星雲としては割と大きい天体です。非常に淡いため大口径望遠鏡を使っても眼視で存在確認するのは困難で、写真撮影向きの天体と言えます。撮影ではHα光を選択的に透過するバンドパスフィルターを使用した方がコントラストが向上するようです。クローズアップ撮影すると複雑な内部構造が捉えられるようですが、何かに似ているような印象はなく、愛称などは特に付いていません。ちなみに上の写真で右寄りに写っている明るくて小さな天体は惑星状星雲Sh2-71、左下寄りに写っている赤味を帯びた星雲状天体は散開星団NGC6749です。
[星図]
AstroArts社ステラナビゲータにて作成
来月に明るくなる見込みのレモン彗星は順調な光度上昇を示している模様で、昨日の明け方に撮影してみたら、こんな姿になってました。
【レモン彗星(C/2025 A6)2025/09/26】
キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC+エクステンダー,
ノーフィルター,F4.3,ISO1600,1.6倍クロップ,
総露出時間8分(1分×8コマ加算メトカーフコンポジット),
タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,
ステライメージ10,Photoshop2025にて処理,
山梨県大月市にて
今月の初めの貧相な姿と比べるとかなり見映えが良くなってきた感じです。信頼スジによると光度は7等台半ばくらいで、口径5cmの小型双眼鏡で容易に存在確認できるレベルになりました。また、月初めよりも太陽離角が大きくなり、薄明開始時の地平高度が上がって観測もしやすくなった印象です。尾については双眼鏡による眼視観測では認められませんでしたが、写真では北西方向に伸びているのが分かります。中央集光部の周りに広がるコマはハッキリとした青緑色に染まり、イオン化しやすい揮発性成分が増えてきていることが窺えます。
来週からは薄明開始時の地平高度が日毎に下がっていくため観測条件は悪化傾向となってしまいますが、それを補って余りあるくらいの明るさになって欲しいですね。問題は天気と月明かりかな・・・